トウガラシ(ナス科) 蕃椒ばんしょう(果実)

トウガラシの原産地はブラジルのアマゾン河流域といわれています。コロンブスがアメリカ大陸を発見したとき、タバコと同じようにスペインに持ち帰ったのがヨーロッパに入った最初です。日本にはポルトガルからインド、中国を経て1592年秀吉の朝鮮出兵の際に種子が入ってきました。

トウガラシのことを唐辛子とうがらし蕃椒ばんしょう高麗胡椒こうらいこしょう南蛮胡椒なんばんこしょうといいますが、いずれも外国から導入されたことを意味した名前です。

栽培品種

辛味型、甘味型およびその中間型など多くの品種が知られています。
辛味型には、タカノツメ、ヤツブサ、トラノオ、ナガミトウガラシがあり、辛味成分のカプサイシンに富んでいます。
甘味型はピーマンと呼ばれる品種で、大果種と中果種があります。辛味が少なく、やや甘味のあるものはシシトウガラシです。

栽培と採取

比較的高温を好む植物で25℃前後が適温です。熱帯では多年生の半低木ですが、温帯では1年草です。日当たりがよく、排水のよい所で水が十分補給できることが必要です。

タカノツメやヤツブサは開花して10~15日目で色づき始めます。約60日目に収穫するとよいでしょう。シシトウガラシは開花後10~15日、ピーマンは15~25日目で収穫します。収穫時期がおくれると、果肉が堅くなり品質が悪くなります。

収穫後は風通しのよい場所で十分乾燥させた後、 果実のみをとり、さらに乾燥させたものが生薬しょうやく蕃椒ばんしょうです。 とくに水分、湿気にあうと品質を悪くします。

薬効と用い方

辛味性健胃けんい薬として食欲増進、消化促進、液分泌促進、強壮などの効き目があり、また体を暖める作用があります。

蕃椒ばんしょうを内服するには、粉末として0.2~0.5gを1日3回分服します。蕃椒ばんしょうを大量服用すると、かえって胃腸障害、腎臓障害をおこすので注意を要します。 また、胃かいようの症状のあるときは服用するのをやめます。

皮膚刺激薬として、腰痛、肩こり、筋肉痛、リューマチ、関節炎、神経痛などに用います。

トウガラシをきざみ、その全量の約4倍のホワイトリカーを加え、20日~30日ほど冷暗所においたのち、 布でこしてトウガラシチンキを作り、痛む部分に塗ります。また、このチンキをコップ1杯の水に数滴注いで、食前に服用すると健胃効果があります。

出典:新日本法規出版株式会社 「明解 家庭の民間薬・漢方薬」